みなさんこんにちは! 映画などのレビューを行っている旅狼のレビュー小屋です!
今回は、ジブリの最新映画『君たちはどう生きるか』の率直な感想、後半ではネタバレありであらすじや感想、簡単な考察をお話ししていきます。
映画公開までタイトルとただ一枚のキービジュアルのみの発表という、あまりに異例な状態だった『君たちはどう生きるか』。宮﨑駿監督が引退宣言を撤回してまで制作したこの一作について紹介していきます!
『君たちはどう生きるか』 見終えた後の率直な感想(ネタバレなし)
正直、「ジブリ」「宮﨑駿」というフィルターがかかった贔屓目で見ると、評価は星5満点で星5つにしたいのですが、、本心の評価をつければ絶対に星5つにはならないかな、念ながら。。自分の中のジブリNo.1は『もののけ姫』なのですが、それには遠く及んでいないと感じてしまいました。
とはいえ、久々の映画館での新作ジブリ。最初のシーンから”ジブリの絵”だったのはやっぱり興奮しましたし、途中の”ジブリ飯”はもっと興奮しました。思わず笑ってしまうシーンもいくつかあり、新しい”ミニキャラ”も登場しましたし、現実世界から一気にファンタジーな世界に入り込んでいく展開や緩急は、流石のジブリな気がしました。これがいわゆる”駿ワールド”ってやつなのかな、と。
話は結構難しいと思います。最後まで見終えて話のテーマは自分なりにはつかめましたが、細かいところはこうして書きながら思い出して、だんだんと消化しているって感じです。そういう意味では、近年のジブリの作風を踏襲していると言えるかもしれません。『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』よりは、『ゲド戦記』や『風立ちぬ』の雰囲気に近いと思います。
キービジュ1枚、パンフも後日という異例の公開
今回のジブリ新作『君たちはどう生きるか』は、異例の公開ということで話題になっています。
キャスト発表も予告映像もなし。それどころか、公開前も公開後も、キービジュアルは”謎の鳥”一枚だけ(この鳥の正体はちゃんと映画を見ればわかります)。おまけに映画パンフレットも後日販売、と。とにかく「内容を知らせない」徹底っぷりです。
宮﨑駿監督とジブリの意図、と考えるのが自然ですので、それだけ内容を伏せて公開させたい、「純粋に映画館で物語に没頭してほしい」というメッセージを自分は感じます。
なので、この記事を読んでくれているあなたも、気になっているなら今すぐこの記事を閉じ、近くの映画館のチケットを予約してほしい。それが僕としても望ましいと思ってしまいます。
ちなみに、タイトルの『君たちはどう生きるか』 は、宮﨑駿監督がかつて感銘を受けたという実際に存在する本の題名です。実際にこの本も作中に登場しますが、この本を知らないからといってどうこうというわけではないですし、本の『君たちはどう生きるか』とこのジブリの『君たちはどう生きるか』の内容はまったく関係がありません。(もちろん、知っていると考察が深まる可能性はありますが…!)
気になるなら絶対に見た方がいい、これだけは断言できる
つまらない、難しい、、色々言われるのはどんな映画にも共通していることです。それが期待されている大作ならなおさらです。実際、『君たちはどう生きるか』を検索すると「つまらない」「気持ち悪い」と出てきます。
でも、その作品をどう捉え、何を得るか、どんな感想を抱くかはその人個人によって絶対に違います。口コミではつまらないと言われているからといって、あなたもつまらないと感じるとは限りません(逆も然りです)。特に今回の『君たちはどう生きるか』は、あえて映画を見る前の情報が伏せられている。
これだけ「作品に素直に向き合える環境」がお膳立てされることは、今後もうないかもしれません。
ジブリならではの映像美、散りばめられた意味、作品のメッセージ。見どころはたくさんあります。なんて言ったって、日本を代表する、世界にだって胸を張れる、ジブリ作品、宮﨑駿作品を映画館で見れることはもうないかもしれませんから。
気になる方は、この機会を逃すことなく映画館で見ることを僕は絶対にオススメしたいです。その上で、あなた自身の感想、感じたことを大切にしてほしいです。たとえつまらなかったとしても、その体験の中で感じたこと、得られたこともきっとあると思いますからね。
ネタバレあり あらすじと簡単な考察
ではここからは、『君たちはどう生きるか』の少々のネタバレありであらすじや感想、簡単な考察をお話ししていこうと思います。
「何の前情報もなく見てほしい」というのが宮﨑駿監督とジブリからのメッセージですし、僕も何の前情報なく見てほしいと思いますから、ここから先はどうしても最初に情報を知りたい人だけ見ていってください!
あらすじ
映画『君たちはどう生きるか』の舞台は、戦時中の日本。火災で母を失った主人公の牧眞人(まひと)は、父と共に疎開して東京を離れる。そこで、父の子を妊娠した再婚相手であり、母の妹である夏子と共に新しい暮らしを始めることになる。
しかし、眞人は夏子のことを新しい母だと認めることができず、お手伝いのキリコとの会話でも「夏子おばさん」と距離を置いた呼び方を使っている。また、転校先の学校にも馴染めず、自分で頭に石を打ち付けて傷を負うことで学校に行かなくてもよくなる口述をつくっていた。
そんな中、眞人はしゃべるアオサギにつきまとわれることになり、「母は死んでいない」「母に合わせてあげる」と誘いを受ける。アオサギを撃退しようとしつつも、その誘いを完全には拒否しきれない眞人。そして、つわりで寝込んでいた夏子が失踪したことを聞き、後を追って家の裏庭にある塔に向かう。そして、眞人とついてきたキリコは、塔を建てたという大叔父からの指示を受けたアオサギの“案内”によって“下の世界”へ行くことになる。。
感想とミニ考察
話の軸は、主人公の眞人が人として成長する物語、といったところでしょうか。母が死に、新しい母を受け入れられず、転校先の環境を受け入れず、だった眞人が、最後には、人と社会と繋がって生きていくことの大切さを知る、というところかと。
話の前半は、戦時中の現実世界の中に、喋るアオサギという一滴のファンタジー要素、でもちょっと不気味というかんじでしたが、“下の世界”に降りたあとは、一気にファンタジーな世界に入っていく。前半は『風立ちぬ』、後半は『ハウルの動く城』&『ゲド戦記』の雰囲気でした。
「わらわら」という新しいミニキャラも登場し、”ジブリ飯”もしっかりいただき、魔法を使う少女ヒミも登場し、姉御肌のキリコも登場する。動物たちは喋るし、その中に軍服を着た者もいる。黒い水でできた死人、神の紙とでもいうような仕掛けも登場し、とにかく今までのジブリ作品で見たものが一気に登場してきた印象でした。ジブリ好きにはそれだけでたまらないと思いますね! 「気持ち悪い」と検索候補に出てくるのは、鳥やカエルの描写ではないかと。ある意味この生々しさがジブリの絵ともいえて、自分は好きなのですが…。そこは好き好きですかね。。
とはいえ最初の感想で書いたように、話は難しめ。
こちらのサイトの考察を読んで「なるほど…!」と思えましたが、結構背景知識というか、これまでどれくらい作品に触れてきて、自分なりの考察をしてきたか、が問われる気もしました。ぼーっと見ていたら「つまらなかった」「よくわからなかった」という感想になるのは仕方ないとも思う。
冒険譚ほど爽快ではなく、でも、淡々と物語が綴られるわけでもない。この絶妙とも言えるバランスもまた、ジブリの、宮﨑駿の作品と言える所以なのかもしれません。
命のやり取りと命の大切さ、人の悪意と善意、繋がりの大切さ。そういったものを感じさせる描写や仕掛けが随所に散りばめられている。”何かを感じられる”ということだけは間違いないと思います。
まとめ
ということで今回は、『君たちはどう生きるか』 の感想をお話ししてきました。言いたいことはここまででお話ししてきました。
最後にただ一言、気になるなら絶対に映画館で見た方がいい、これだけは断言できます!
カヘッカヘッカヘッ
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