みなさんこんにちは!映画などのレビューを行っている旅狼のレビュー小屋です!
今回は話題のアニメーション映画『竜とそばかすの姫』のレビューをしていきます!
細田守監督の最新作として、2021年夏一番の注目株だった作品。公開初日から賛否両論真っ二つみたいな評価となっていますが、、率直な感想と考察、声優やキャスト、配信情報、そして、見るべきかどうか。
これら『竜とそばかすの姫』の気になるポイントをお話ししていきます!
サムネイル画像出典:竜とそばかすの姫 公式ホームページ
『竜とそばかすの姫』 あらすじ
歌うことが大好きだった主人公「すず」は、母親の死により心に大きな傷を抱えていた。
そんな時、すずは親友の「ヒロちゃん」の誘いもあって、「もうひとつの現実」と呼ばれるインターネット上の仮想世界<U(ユー)>のアカウント<As(アズ)>をつくる。
<As>は「もうひとりの自分」と呼ばれ、50億人が集う<U>における自分の分身。<U(ユー)>で歌う楽しさを再び感じたすずは、ネット技術に長けたヒロちゃんのプロデュースもあり歌姫「Belle」として<U>のトップアイドルとなる。
そんな中、<U>を荒らしまわる「竜」が現れる。皆が「竜」を敵視する中、ベルは竜をどうしても気にかけてしまう。。
圧倒的な速度であらゆるものが変化し続ける時代、それでもずっと変わることのない大切なものとは―。
現実世界と仮想世界。2つの世界、2つのアニメーション。大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語。
参考:竜とそばかすの姫 公式ホームページ イントロダクション
『竜とそばかすの姫』 感想と考察
※ここから先は若干のネタバレが入ります
率直な感想
一番シンプルな感想としては「ミュージカルアニメとしてみたら最高!」ですね! IMAXで観たという影響もあるのでしょうが、それ抜きにしても、「50億のアバター」が生きる世界での歌声、ラストスパートのシーンは鳥肌が止まらなかったです。
ただ逆にいうと、その鳥肌は、演者さんの歌声と、映像美と、演出によるものであり、「話の流れからの感動」という、本来最も重要な要素は”わずかだった”という評価の裏返しです。
話の題材、主題、世界観は理解できるし、共感もできる、わかるのですが、、
少々、主人公のご都合主義、というか、作者のご都合主義を感じる内容。
展開が急で、冷静に考えるとそうなるかなぁ、このシーン・キャラいる? 結局そのあとはどうなるの? という、悪い意味での消化不良が起こるのではないかと感じてしまいました。
音楽はホントに最高。素敵。
最初に書いたように、音楽はとにかくすごかった。歌ってすごいなぁ、音楽ってすごいなぁ、と、素直に思わせてくれました。
主題歌であり仮想世界の名を冠する『U』の壮大さ、物語が最も佳境を迎える『歌よ』のシーン。2000円前後で「映像美と新たな世界観を楽しめるコンサートへ行く」と思ったら、お釣りがくるくらいの歌声だと感じました。
『美女と野獣』のパクリ…?
この時代の作品ではどこかしらが「パクリ」と言われてしまうのは、もはや仕方のないこと、とは思うのですが、、今回はちょっと露骨すぎた気はします。笑
それでいて完成度が中途半端なので、そりゃ、パクリと言われても仕方がない。「これ、〇〇と似てるけどこれはこれでいいよね」みたいにぶっちぎってくれればよかったのですが、、世間の評価的にも僕個人の感覚としても、そこにはあと二、三歩届いていない気がしますね。。
一番わかりやすいのは『美女と野獣』ですね。「美しい姫」と「誰にも理解されない野獣」。『竜とそばかすの姫』では、ベル(すず)は”Bell“や”Belle“と呼ばれ、竜は英語で”The Beast“と書かれていました。おいおいおいさすがに気づくわ!笑
ベルが竜を”なぜか”気にしてしまうのは、それはもうアニメ世界の”お約束”といいますか、つらい過去がある人は同じ人を感じてしまうわけだからなのですが、、まぁそれは別によいとして、そこから先がちょっと雑なんですよね。。
僕が一番気になったのは、「竜が追われてしまう理由」です。
そりゃあ平和な仮想世界で暴れ散らかしているなら叩かれるのもわかるのですが、、そもそも「U」の世界の日常が描かれていなさすぎて、竜がどれほど「U」の世界で異質なものかがこちらに伝わらないのだと思います。おまけに「アバターの中の人を暴こうとする」「アンベイル」まで行われる始末。「えっと、なんでそんなにみんな怒っているの?」という感覚でした。
「ネット世界でよく知りもしないのに”みんなが叩いているから自分も便乗する”」ということや、「偏見だけで差別し、攻撃する」ということを表現したかったのかなぁ。。とは思うのですが、そこをあまり見せていないので、見ているこちらに考えが委ねられてしまっているのです。
竜がここまで嫌われる理由がもっとわかりやすく表現されていれば、もう少し作品に感情移入できたのかな、と正直感じます。
“描きたいものを無理矢理詰めた”感
僕が今回一番気になった点はここ。
上述の、竜がUの世界の”目の上のたんこぶ”になった経緯が薄いところにもつながるのですが、今回は、細田監督が描きたかったものを一緒くたに描きすぎてしまったのではないかと思いました。
異世界もの、VR世界もの、恋愛もの社会問題に立ち向かうもの、、
全部当てはまるんだけど全部中途半端に当てはまっているせいで、結局どこが主題かわからないという感じ。
それによって、もっと描くべきだったんじゃないかっていうところが薄くなり、結局、全体として消化不良になってしまった。
『サマーウォーズ』のような「この目標のためにみんなで頑張ろう!」みたいなものがありつつ一夏の思い出に収まるようなわけでもなく、『時をかける少女』のような”甘酸っぱさ”があるわけでもなく、『バケモノの子』のような”親子愛”があるわけでもない。
“感じようと思えば”『竜とそばかすの姫』にも見出せるものはある(今回は社会問題に一番フィーチャーされていたとは思う)のですが、、いかんせん要素がありすぎてそれがわかりにくいし、果たしてそれが一番のメッセージなのかも伝わりにくい。
う〜ん、結局何を描きたかったんだろう? と感じる人が多いのではないかなと、正直思います。
「歌と映像がよかったからその★です」みたいなレビュー、絶対ある気がする。。
『竜とそばかすの姫』は見るべき?
ということで最後にまとめとして、僕個人として感想・考察の総評、観るべき人・観なくてもいい人をご紹介!
▶︎“アニメ玄人”向けな作品だと思います。
観るべき人
・細田作品は欠かさず見ている人
・物語の補完が得意な人・好きな人
・消化不良の作品でも自分なりに結論が出せる・補完できる人
・音楽や映像美からも、アニメが好きな人・楽しめる人
観るべきじゃない人
・普段アニメを見ていなくて、「まぁ話題だから」と思って見にいく人
・音楽や映像の美しさには興味がない人
話題作ではありますが、『鬼滅の刃』のように「『竜とそばかすの姫』からアニメ世界にハマる」という人はいないんじゃないかなぁと思ってしまいました。というか、『竜とそばかすの姫』でハマる人は多分、鬼滅ですでにハマっているんじゃないかな。。笑
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『竜とそばかすの姫』 作品情報
原作・脚本・監督
細田守
アニメーション
スタジオ地図
キャラクター・声優(キャスト)
すず(内藤鈴・ベル):中村佳穂
竜:佐藤健
しのぶくん(久武忍):成田凌
かみしん(千頭慎次郎):染谷将太
ルカちゃん(渡辺瑠果):玉城ティナ
ヒロちゃん(別役弘香):幾田りら
主題歌
『U』
millennium parade × Belle
興行収入
約66億円
配信サイト
2022年4月現在、『竜とそばかすの姫』を無料配信している動画サービスはありません。劇場で見逃してしまった方は、DVDやBlu-rayを購入するか、レンタルしましょう。
竜とそばかすの姫 まとめ
ということで今回は、『竜とそばかすの姫』の感想やレビュー、考察を行ってきました。
我ながら、作品への評価はおおらかな方だと自負しているのですが、今回の作品は正直なところ期待外れだったと言ってよいです。オススメしたくても「音楽がホントにマジで最高なんだよ!」としか言えませんからね。。笑
ですので、積極的に「映画館で見ましょう!」と言うこともありません。自分の目でこの評価が気になる方が見て、自分の中で評価や感想を抱いてほしいですね!
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